「アトベサンすげえ睫毛長いよね」
ばかでかいソファにだらしなく寝っ転がりながら、隣で黙々と活字を目で追う相手を見上げる。
くるくると長くて、びっしりと綺麗に並んだそれは、瞬きの度にばさばさと音が聞こえてきそうだ。
面白がって下から暫く眺めていたけれども、好い加減飽きた。ちっともこっちを見もしない。
「マッチ乗りそう。つーかずっと本ばっか読んでて飽きないの?」
ちらりと、本当にちらりと碧い瞳がこちらに向けられ、すぐにまた逸らされる。
「ガキの相手をするよりは面白いぜ?」
誰の事だよ。
意地の悪そうな笑みを浮かべてそう言ってのける相手を、軽く睨み付ける。勿論、全然効かない。
むかつくくらいサマになる顔だ。妙に悔しくなる。
むくりと起き上がるとその俯き加減の横顔に近付いて、キスをしてやった。
不意打ちに、きょとんと目を瞬かせる。矢っ張り、ばさばさと音が聞こえてきそうだと思った。
気分が良い。ねえ、こんな可愛い顔出来るならさ、ねえ早く。
「ねえ、俺のこと好きになりなよ」
後書き:
日記での突発短文を再録。リョ跡って、ときめきますよね!にこ!
何となくの雰囲気が書きたかっただけなので色々不鮮明な部分は是非気にしてはいけません。
2007.9.14 シン